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自殺者リサイクル法

 『世にも奇妙な物語 秋の特別編2009』の、「自殺者リサイクル法」を見ました。自殺を考えている人へのメッセージがこめられたストーリーなんだと思います。でも、私は見ていて正直不快でした。

 ドラマの内容については割愛させて頂きますが、なんとも後味の悪い話でした。「自殺者リサイクル法」は、自殺しようとした人を捕らえて、命を放棄したのだから、今後は新薬試験や臓器提供、テロ犯罪の防止などに役立てるという法律です。結局死ねずに生きているのに、ただゲージの中のモルモットのように、その日がくるまで生かされているなんて、誰も望んでもいないはずです。死んでからのことは人に任せるしかありませんが、生きているうちは本人の意思を尊重すべきだと、私は強く思いました。

 生きたいと強く望んでいるのに病で亡くなられる方、突然事故で亡くなられる方、世の中にはそんな方々がたくさんいらっしゃいます。そういう方やそのご家族から見れば、死にたいと思うことはなんと不遜な考えなんだろうと思われるに違いありません。貧困や戦争で苦しんでいる国の人々から見れば、そんなことで・・・と怒りを覚えられるかもしれません。

 でも死ぬことでしか苦しみから救われないとしたら、それを止めることも、責めることも、誰にもできないのではないでしょうか。生きる権利があるなら、死ぬ権利もあると思うのです。今の自分であることが、生きにくい場合だってあるのです。今まで生きてきたことで精一杯で、今後生きていく力が尽きてしまうことだってあるのです。簡単に命を捨ててしまう最近の若者には、正直腹が立ちます。ただ、それが最後の手段であると言うなら、認めてあげたいと私は思うのです。

 ドラマを見た後、すぐブログに書こうと思いましたが、思いを上手く表すことが出来ず、何度も書き直しては保存して・・・を繰り返し、やっと今日書き終えることが出来ました。それは、自分が死に近い時があったことと、気分が沈んでいる時は書くのが辛い内容だったからだと思います。

 この半年、何度も死にたいと思い、その都度死ねない理由を考え、何とか思いとどまりました。そのことは医師にも、家族にも、友人にも話していません。これ以上心配をかけたくなかったからと、弱い自分を見せたくなかったからです。まだ自分には頑張れる力が残っていると信じたかった、そして、話してしまえば自分の気持ちが弱ってしまい、止められなくなりそうだと恐怖を感じたからです。

 でも、今日こうして書き上げることができたことで、自分の生きる力が少し戻ってきたのかなと、自信につながりました。上がったり、下がったりと、自分で自分の気持ちがまだコントロールできない状態ですが、最悪は乗り切れたような気がします。それは、ここで私のことを暖かく見守って、励まして下さった皆さんのお陰だと強く感じています。

 皆さん、本当にありがとうございました。そしてこれからも、どうぞよろしくお願い致します。


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non

自分も過去に、誰にも迷惑かけずに『楽に』死ぬにはどうしたらいいかを
ネットで何日も何日も調べ続ける日々を送ってました。

『人間、死ぬ気になったら何でも出来る』と言う人もいますが
本当に死ぬ気になったら他の事なんか考えなくなります。

結局、方法が見つけられずに今日もこうして生きてます。

前を向いて歩いていれば、そこに障害があっても避ける
ことが出来ますが、後ろを向きながらだと歩く事さえ難しいのです。
前向きに歩いている人には差し伸べられる手が見えるのですが
後ろ向きの人にはその手さえ見えないんです。

後ろ向きのまま歩いてつまずいてしまう=自殺なんじゃないかと
最近思うようになりました。

生きていくのも難しい世の中ですが、自らの命を絶つというのは
もっと難しい事です。
まだ死ぬ時期に来ていない人間には防衛本能というものがあり
いくら気持ちは死にたくても、体は生きようとするんです。
もし死ぬ権利を法律で認めるのであれば、それは他者の力を
借りないと出来ないと思います。
生きる為に力を貸してくれる人はいると思いますが、死ぬ為に
力を貸してくれる人がいるのかどうかが問題ですね。
自尊死を認めている国ってあるんでしょうか?

長々と書かせてもらいましたが、何言ってるかよくわかりませんね(^^;
文才がないのでまとまらない上に意味不明で申し訳ありません。


by non (2009-10-15 01:32) 

KEY

「自分が生きていることが罪悪であり苦しい」

自殺念慮を持つほとんどのうつ病患者は、
そういう思いで死を選ぼうとしているはずです。
客観的に医学的にいえば、
限界を超えたストレストと疲労に対して、
疲労の検知システムが壊れてしまうのと同時に、
間違った自衛本能を脳が発動してしまうのが原因なのですが、
その渦中にいる人間にとって、
そうした事実は知識としてはわかったとしても、
自殺念慮に抗うことは非常に難しいことです。

私も今は客観的にその原因をとらえていますが、
今もまだ時折脳裏に「死」が横切ることがあります。
ただそれが病気のためであり、
それをすぐに打ち消せるようになったので何とか生きています。
それは本でそのことを教えてくれた下園壮太先生と、
主治医の認知療法によるものが大きいと思いますが。

「生きていること自体がつらい」
そう思っている自殺を試みた人を、
「一度は死んだんだから」とドナーや被験者にするなんて、
余りにも残酷で非情なドラマです。
正直脚本家やプロデューサーの良識を疑います。
もし私がその立場になったのなら、
いっそのことロボトミー手術でもして認識能力をなくしてほしいとさえ思います。

自殺が良いことなのか悪いことなのか、
倫理的宗教的なことはさておいて、
そういう精神状態に人が追い込まれることがあるのも事実です。
その一方で末期がんなどによって尊厳死を選びたい人がいるのも事実。
人は生まれたからには必ず死ぬ。
ならば自分が望む形で死にたいと思うのも意志としてありだと思います。
私は自殺しても良いとは思いませんが、
「それほどまでに苦しい」胸の内くらいは周囲には察してほしいと考えます。

抑うつ状態から解放されて、
毎日の生活に何かしらの喜びを見つけられるようになれば、
自ずと自殺念慮は消えていくものです。
「自殺しようとしたから命を勝手に使っても良い」ではなく、
「自殺しようとしたくらい苦しい気持ちをどうにかしなければ」
そういうメッセージのあるドラマなら歓迎なのですけどね。
by KEY (2009-10-15 08:42) 

ne-neko

皆さんが書いているので、何も書くことないなぁ、とおもったんですが・・・。私もichi さんと同じ考えです。
うつ病の希死念慮は「死ぬ事しか解決策が見出せなくなる脳の状態」だと思います。
それがわからない人たちが大勢いる、現実ですね。「自殺者リサイクル法」・・・とっても嫌なタイトル。
by ne-neko (2009-10-15 19:19) 

ichi

皆さん、コメントをありがとうございます。
色々な方の考えを知ることで、視野が広がり、自分の偏った考え方を直すことが出来るので、いつもとてもありがたく思っています。
こんなドラマを作ることが肯定されるということは、やはり弱者が生きにくい世の中になってしまったということなのでしょうね。

私の父は、経営する会社が倒産した時自殺を試みましたが、結局助かり今に至っています。
家族としては、とにかく窮状を乗り切ることに必死で、その時父の気持ちを思いやれなかったことが悔やまれます。
子供の時は厳しくて怖い人だとしか思えなかった父の弱い一面を、今なら理解できるような気がします。

by ichi (2009-10-15 21:10) 

こだっく

記事とは関係ないのですが、わたしの両親は、父親が経営する会社が倒産したときに、離婚してしまいました。子供は7人いましたが、7人とも母親について行きました。
その後、父親とは高校の時に一度だけ会っただけです。
きっと、わたしたちが離ればなれになったときには、父親は全てに自信をなくして、自暴自棄だったのだろうと思います。子供なんて。。。と思ったかもしれないです。父親のそのときの気持ちもわかるような気がします。
その父親も数年前に他界しましたが、最後まで子供達には知らせないで欲しいと言っていたそうです。それは当然ですよね。でも、わたしは父親の最後を看取ってあげられなかったことをとても寂しく思いました。
自分のブログじゃないのに、こんなこと書いてすみません。m(__)m
by こだっく (2009-10-15 22:41) 

すぅ〜ちん♪

おいらも見ました。
不思議な気持ちになりました、正直。
おいらも、自殺を図ったこと数回あります。
最近では1年半くらい前かなぁ・・・
“おいらに関わる人たちが不幸になっている”気がして。
でも、こうして生きてるから(笑)

最近、心がけていることが
「すべてが必然で 
 思ったことを後回しにしない」かぁ・・・
ダメもとで当たって砕ける。(当たり・ハズレはあります)
“した後悔”で心が沈むことあります。でも、
“しなかった後悔”のほうが大きくって・・・(/_;)
失敗を恐れて考えすぎて行動出来なかったことだらけ。
行動に出ても、間違ってしまう・・・
イイ大人ですが、中身は 無邪気な子供な、おいらです^^;

再来週、3年ぶりにカウンセリングを。 
クリニックの雰囲気に慣れ始めたのか、
ちょびっと、期待感もありますが
初めてお会いすることが緊張感があること確かです。 
by すぅ〜ちん♪ (2009-10-16 00:41) 

ichi

こだっくさん、女性が離婚して一人で子供を育てるのは、今の時代だって大変なのですから、お母様が七人全員をお一人で育てられたなんて、相当ご苦労なさったと思います。お父様はそのことを十分理解してらして、最期まで会わずにいようと思ったのではないでしょうか。これからはお父様のお墓参りをして、寂しくないようにしてあげられればよいのではないかと思います。(^-^) ・・・生意気な事を言ってしまって、すみません。
ご兄弟がプレゼントして下さった、沖縄旅行のお話は、素敵なご家族だな~と感動しました!
by ichi (2009-10-16 10:55) 

ichi

すぅ〜ちん♪さん、私も同じです。
思ったことは実行する、しなかったことで後悔はしたくないから・・・と考えています。
頭をぶつけて、痛い思いをすることもありますが、それも勉強。
恥ずかしい思いをすることもありますが、仕方ない、自分はその程度なんだし!と笑い飛ばせればいいなと思っています。
なかなか難しいですけどね(^^;
by ichi (2009-10-16 11:02) 

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