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アダルトチルドレン(アダルトサヴァイヴァー)

アダルトチルドレンという言葉が、気になっていました。

気になりだしたのは、うつになって症状が少し落ち着き、自分でもうつを受け入れるようになってからなのですが、何となく自分に関係ある言葉のような気がして、知りたいような、怖いような気持ちが常にありました。

昨日意を決してウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたところ、やはり・・・と思えることが書かれていました。その部分だけを抜粋してみると、

アダルトチルドレンとは、機能不全家庭で育ったことにより、成人してもなお内心的なトラウマを持っている人のことを指す。一般には、親による虐待や、アルコール依存症の持つ親がいる家庭や機能不全家庭で育ち、その体験が成人になっても心理的外傷として残っている人をいう。破滅的であったり、完璧主義であったり、対人関係が苦手であるといった、いくつかの特徴がある。成人後も無意識裡に実生活や人間関係の構築に、深刻な悪影響を及ぼしている場合も多いが、日本においては2010年現在、未だ一般社会による認知度は低い。

主な現象と注目点

<条件付きの愛情>

本来、親は子供に無条件で愛情を注ぐものであるが、親の愛情が無条件の愛ではなく、何らかの付帯義務を負わせる「条件付きの愛」であることが問題となる。これが継続的に行使される家庭では、子供は親の愛を受けるために、常に親の意向に従わなければならず、親との関係維持のために生きるようになり、この時点で親子関係は不健全であるといえる。主に幼少期からこうした手段が用いられ始め、子供の精神を支配する手段として愛情を制限する。

この手段は子供が成人する段階になっても継続され、引き続き成人した子供(Adult Children)の精神を支配する。実はこの状況は非常に多くの家庭に存在しており、子供は常に不健全な状況にさらされている。しかし、第三者からは一見してこのような家庭は何ら問題のない普通の家庭として認識される場合が非常に多く、「条件付きの愛」はしつけや教育と称される家庭の病理性の深さを象徴する現象であり、最も基本的な精神的虐待である。しかし現実に、無条件の愛を常に実行できるかというと、これは極めて難しく、健全な家庭を目指すには「条件付きの愛」を減らし、可能な限り無条件の愛を与える方法を親自身が訓練・勉強する必要があるだろう。

ACの特徴的な心理パターン  

  • 正しいと思われることにも疑いを持つ。
  • 物事を最後までやりぬくことが困難。
  • 本音を言えるような場面でをつく。習慣的にをついてしまう。
  • 自分を情け容赦なく批判する。自己処罰癖、自罰傾向がある。
  • 自分のことを深刻に考え過ぎる。
  • 様々なことをリラックスして楽しむことや遊ぶことが出来ない。
  • 他人と親密な(心の通った)関係が持てない。
  • 環境の変化に過剰反応する。
  • 常に他人から肯定され、受け入れられることを求めている。
  • 他人からの承認、賛同、称賛を必要とする。
  • 自分は他人とは違っていると感じている。
  • 過剰に責任を持ったり、逆に、過剰に無責任になったりする。
  • 従うことに価値がない場面でも、従いがちである。
  • 衝動的で、ひとつのことに閉じこもる。
  • 衝動的であるためトラブルが多い。
  • 離人感、自分が自分でなくなるような感覚。
  • 身体性が希薄。
  • 他人への依存。
  • 自立的な判断と思考の欠如・周囲の期待に合わせようとする。
  • 自分を殺して違う自分に成り代わり、期待されている自分を演技してしまう。
  • ストレートに「嫌です」が言えない。
  • 甘えと愛情、依存としがみつきの区別がつかない。
  • 妄想を持つことがある
  • 喜怒哀楽の表現が不得手で感情の波が激しい。
  • 無力感を訴え、心身症に陥りやすい。
  • 自分の判断に自信が持てない。
  • 傷つきやすく、閉じこもりがち。
  • 孤独感、自己疎外感が強い。
  • 自分にはどうにも出来ないことに過剰反応してしまう。
  • 世話やきに熱中しやすい。
  •  

    ACの習慣化された思考

  • 先取り不安と時間感覚の障害 - まだ起きていない悪い未来への不安に縛られてしまう。また「自分の将来に待っているのは悪い未来ばかり」としか思えない。
  • 見捨てられ不安 - 良い子の自分でいないと、好きな人から嫌われてしまい、愛してもらえないと思い込む。
  • マインド・リーディング(Mind Reading)- 相手の言動や表情から「自分は嫌われている」「私がこの人を不快にさせてしまった」など、悪い答えばかりを引き出してしまう読心術。
  • 承認欲求と愛されたい願望 -「認められたい」「愛されたい」という他者への過度の欲求で、自分自身を混乱させてしまう。
  • テスティング(Testing)- 相手を困らせたり不快がらせる言動をわざとして、自分への愛情度を測る「試し行動」。
  • 親密感と距離感の問題 - 他者との関係が、くっつき過ぎか離れ過ぎかのどちらかになってしまい、適度な距離感が実感できず、維持出来ない。
  • 対人恐怖 - むしろ相手との関係が親密になってゆく過程で出てくる問題で、表面的な関係では極度な対人緊張として感じる。
  • 自他境界の問題(Personal Boundary Problems)- 他者の感情や行動上の問題に、自ら巻き込まれてしまう。あるいは逆に自分の感情や行動へ相手を巻き込んでしまう。
  • 白黒思考 - オール・オア・ナッシング(All or Nothing)で、自分の中にいつも二者択一の選択肢しかない。灰色(中間)の選択肢もあると考えられない.
  • 完璧主義Perfectionism)- 白黒思考と似た考え方で、「全ての準備」 や「成功への約束」が整わないと、何もしない完璧主義者になりやすい。過剰に自責的な一方で無責任とも言える。
  • パワーゲーム思考 - 人間関係を「優・劣」「上・下」「勝ち・負け」の尺度で見てしまう。しかも多くの場合、自分が「劣」「下」「負け」側になっている。
  • 自己主張の問題 - 嫌なことを「イヤ」と相手に言えなかったり、正当な欲求や要求を「自分のわがまま」だと思い込んでしまい、言葉にして伝えることが出来ない。
  • 責任感の問題 -「この場をつまらなくさせているのは自分がいるからだ」など、過剰で不要な責任を感じてしまう反面 、果たす必要がある責任を放棄してしまう。
  • 自分の感覚や感情への不確実感 - 「好きだ」「嫌だ」と感じた自分の感覚や怒りなどの自分の感情に、「そう感じた通りで正しい」という実感が持ちにくい。
  • 怒りの感情と、その表現の仕方(伝え方)の問題
  • 淋しさの感情と、その感情とのつきあい方の問題
  • 問題自体の否認やコントロール欲求の強さ
  •  

    ◆ACの役割

    ACは家で生き延びるための役割を背負ってしまっている。役割を背負った子供は、子供として楽しい子供時代を過ごすことは出来ず、自分の感情を押し殺し、傷ついていく。

     

    アダルトチルドレンは精神医学的な概念ではないため、診断名にならないそうです。また、全般的に日本の精神医学界ではAC理論とは距離を取っているとのこと。それは、社会でACは多数派であり、ACであっても社会生活に当面支障のない人が大半であることが理由とされています。心的苦しみが極度に進行し精神科治療が必要となった、虐待や喪失体験による心的障害だけが治療対象とされる場合が多く、精神科の中にさえ「ACとは病気ではない」という見方をする医師もいると書かれていました。

    私の場合、親から近年ニュースになるような虐待を受けたわけでもなく(虐待スレスレのしつけは受けましたが(^^;)、親がアルコール依存症でもありませんでしたが、親子関係というのは子供には逃れようのないものであるだけに、本当に怖いと思いました。核家族化が進み、ご近所との人間関係が希薄となった現在は、さらに深刻な問題となるのかもしれません。子供の不登校引きこもり家庭内暴力・若者がキレる・凶悪犯罪、などの現象はAC理論と密接に結びついているという見方が固まりつつあるそうです。

    概要をさらっと読んだだけなので、まだ深く突き詰めて考えていませんが、可能であれば専門書を少し読んでみたいと思います。自分と言う人間を知ろうとすればするほど、過去真剣に向き合おうとしなかった嫌な現実と立ち向かうことになりそうです。でも自分を知り、理解することでしか、私の場合うつを乗り越えることが出来ないような気がします。


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    コメント 10

    たぃ

    精神病を患っているブロガーさんで、ACを理由にされている方を数名存じていました。
    子供は親を選べません
    この負のスパイラルを断ち切る術を公的機関やボランティア団体に担って欲しいですね
    by たぃ (2010-03-02 20:02) 

    まめ

    難しい問題ですよね。
    社会が個々人へのかかわりを疎にしてきたが故に深刻になっている
    問題だと思います。昔はよかったかどうかはわかりませんが、社会が
    子供を育てるようにしていかなければいけませんね。
    そういう政党、政治家が出てきて欲しいです。
    # 残念ながらまめは立候補できるほどの器じゃないし、懐も、、、
    by まめ (2010-03-02 20:28) 

    non

    アダルトチルドレンってこういう意味だったのですね。
    言葉だけは知ってましたが。

    ichiさんのブログは本当に勉強になりますm(__)m
    また少し賢くなった気がします(^^;
    by non (2010-03-03 05:35) 

    なみい

    AC、よく耳にするのですが、実はわかっていませんでした。
    心理パターンを読むと、自分にもあてはまるような気が・・・。
    でも虐待された覚えはないので、違うのでしょう。
    難しい・・・。
    by なみい (2010-03-03 13:06) 

    すぅ〜ちん♪

    耳の痛い、オイラです(;^_^A
    最近 把握し始めて ちょっとラクになりましたが♪
    by すぅ〜ちん♪ (2010-03-04 12:36) 

    ichi

    みなさま

    私も最初は違う意味に捉えていました。
    日本においては1990年代にマスコミなどによって誤用が進み、もはや原義を離れたところで一人歩きしてしまったために、今日では専門家のあいだではアダルトサヴァイヴァー(Adult Survivor)というケースが増えてきているとのことです。
    ACについては、次回カウンセリングの課題の予定です。
    by ichi (2010-03-04 19:32) 

    エコピーマン

    お久しぶりです
    コメントありがとうございました
    何とか右手は8割程度に回復しました 
    何故か右手だけこわばってしまいます いつか回復するでしょう
    酷使したツケでしょう 無理はできませんね
    いたわってあげようと思います
    私もアダルトチルドレンについては以前調べてみるまで
    違う認識をしていたことに気がつきました
    by エコピーマン (2010-03-05 01:51) 

    lg-ds

    こんにちは。
    久しぶりです。(っていうか覚えてらっしゃらないかも)

    アダルトチルドレンはなんかうつの人と共通項がありすぎな
    感じがするのでいまいち線引きわかりませんねー僕の印象では。
    カウンセリングの先生はよくACという言葉を口にしてたと思うのですが
    心療内科の先生は口にしないですよね?

    また再開しました。
    よかったら覗いてやってください


    by lg-ds (2010-03-06 16:26) 

    ichi

    lg-dsさま

    お久しぶりです。
    ブログがずっと更新されていらっしゃらなかったので、心配していました(人のことは言えませんが(^^;)。
    もう次の職場が決まったのですね。
    今度は無理し過ぎず、マイペースに(^-^)
    by ichi (2010-03-07 19:26) 

    ichi

    エコピーマンさま
    その後、右手の調子はいかがですか?
    だいぶ良くなられたようで、安心しました(^-^)
    by ichi (2010-03-07 19:29) 

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